動画生成AIの選び方|使ったモデルの費用と仕上がり
動画生成AIを選ぶときの順番を、FablessBridgeが実際に使ったKling・Seedanceなどの仕上がりの比較と、同じモデルでも経路で変わる5秒あたりの費用(2026年10月時点)から説明します。

動画生成AIは、まず作りたい場面に合うモデルを2〜3個に絞り、同じ画像で1本ずつ試してから、使う経路の料金を比べて選ぶと失敗が少なくなります。同じモデルでも、使うサービス(経路)によって5秒あたりの費用が2倍ほど違うことがあるためです。
この記事では、FablessBridgeが実際の制作で使ったモデルの仕上がりの違いと、2026年10月14日時点で確認した5秒あたりの費用を説明します。公開している動画制作事例10本のうち7本では、実写風のカットをKling v3で作っています。
FablessBridgeが制作で使った動画生成AI
- Kling v3
- 事例10本のうち7本。人物・手元・物の動きの実写風カット
- Seedance 2.5
- 2026年10月のサンプルでKlingと比較
- MiniMax
- ドット絵の絵コンテを動かしたRPG風の事例
- 画像と音
- 画像はNano Banana Pro・GPT Image・Soul 2、音楽と効果音はElevenLabs
実写風の動画は、いきなり文章から作るのではなく、先に画像生成AIで人物や場面の見た目を決め、その画像を動画生成AIで動かしています。画像の段階で候補を比べるほうが、動画で作り直すより費用を抑えられるからです。画面に出す文字やロゴは生成させず、編集で重ねています。
同じ画像で比べたKlingとSeedanceの仕上がり
高地のコーヒー畑の画像に「カメラがゆっくり前へ進み、谷を霧が流れ、朝日が少しずつ強くなる」という同じ指示を書き、Kling 3.0 ProとSeedance 2.5で5秒の動画を作りました。
Seedanceは朝日の変化の指示に沿って光が暖かく変わり、手前の赤い実も最後まで画面に残りました。Klingはカメラが前へ進むぶん、赤い実が途中で画面の外へ出ます。一方で、Kling 3.0 Proは1920×1080で書き出され、費用はSeedanceの720pより安く済みました。
1回ずつの比較なので、どちらが常に良いとは言えません。同じ指示でも作り直すたびに動きは変わります。実際の制作では、候補のモデルで1本ずつ試し、場面ごとに使い分けています。
動画生成AIの費用はモデルと経路で変わる
同じモデルでも、公式のAPI、fal、Higgsfield、Runwayなど、どのサービスから使うかで料金が違います。2026年10月14日に各社の公式料金ページと、FablessBridgeのアカウントで使える料金確認の機能で調べた、5秒・16:9の1本あたりの費用は次のとおりです(税抜き、米ドル)。
- 01Kling 3.0 Pro(画像から動画):Runway 0.60ドル(音声なし)、fal 0.70ドル、Higgsfield 0.84ドル
- 02Kling 3.0 Standard(画像から動画):Kling公式 0.42ドル(音声なし720p)、Runway 0.45ドル(音声なし)、Higgsfield 0.63ドル
- 03Seedance 2.5(720p):ByteDance公式のAPI 1.16ドル、Runway 1.50ドル、fal・Higgsfield 2.31ドル
- 04Veo 3.1(音声あり):2.00ドル。Veo 3.1 Fastは Gemini API で0.50ドル(720p)。Gemini API のプレビュー版は2026年10月22日に終了予定(次の節)
- 05Wan 3.0(720p):Higgsfield・Runway 0.50ドル
- 06Runway Gen-4 Turbo:0.25ドル
Seedance 2.5は、ByteDance公式のAPIがfalやHiggsfieldのほぼ半額でした。ただし公式のAPIは、管理画面でモデルの利用を有効にするなどの手続きを済ませるまで使えないことがあります。経路によって使える設定や待ち時間、利用規約も違うため、安い経路に切り替える前に1本試して仕上がりと条件を確かめます。
ここで挙げた金額は料金表と見積もりの値で、実際の請求額と照らし合わせたものではありません。料金は頻繁に改定されるので、使う時点の料金ページを確かめてください。
2026年8〜10月の動き:動画生成AIを選ぶときに影響するニュース
動画生成AIは、新しいモデルの公開と古いモデルの終了が数か月単位で起きます。2026年8月から10月14日までに各社が公式に発表したもののうち、選び方に影響するものをまとめました。
- 01OpenAIのSora:動画生成のAPIが2026年9月24日に終了した。後継のモデルは示されていない
- 02GoogleのVeo 3.1:Gemini API のプレビュー版3種が2026年10月22日(最短)に終了予定で、移行先にGemini Omni 1.1 Flashが指定された。Gemini Omni は8月27日に正式版になり、生成物にはすべて電子透かし(SynthID)が入る
- 03Seedance 2.5:8月にBytePlusでの提供が始まった。実在の人物の顔を含む素材からの生成は技術的に制限され、本人の認証と許諾がある場合だけ使える。目に見える透かしとC2PA(作成元を示す情報)が付く
- 04Kling 4.0:9月30日に発表。1回の生成で最大30秒、日本語の音声にも対応するとしているが、10月14日時点で一般向けの提供は確認できていない
- 05Wan 3.0:最大30秒で、資料ファイル(PDFやスライドなど)を参照して動画を作れる。料金は1秒あたり720pで0.10ドル
- 06Runway:8〜10月は自社の新しいモデルではなく、他社のモデル(Seedance 2.5、Wan 3.0、Kling など)の追加と編集ソフトとの連携を進めた
1つのモデルやサービスだけに頼ると、終了や規約の変更で制作が止まることがあります。FablessBridgeでは同じ場面を複数のモデルで試せるようにし、モデル名と経路を制作記録に残しています。
実在の人物の扱いや透かしの有無もモデルで違います。人物を出す動画や広告に使う動画では、使うモデルの制限と透かしの扱いを先に確かめます。
国内では2026年8月に、テレビ朝日とサントリーが映像の全編を生成AIで作ったテレビCMを放送しました。生成AIを使ったのは映像だけで、テロップ・音声・ナレーションには使っていないと発表しています。映像はAIで作り、文字と音は別に仕上げる分け方は、FablessBridgeの制作と同じ考え方です。
出典
作りたい場面から動画生成AIを選ぶ
FablessBridgeの制作で試した範囲では、次のように使い分けています。
- 01人物の表情や手元、物を扱う動き:使った回数が最も多いKling。手や指の崩れを1本ずつ確かめる
- 02光や霧など、環境の変化を指示どおりに見せたい場面:Seedanceも候補に入れて同じ画像で比べる
- 03動きの方向やカメラワークを確かめるだけの試作:安いモデルや低い解像度で作り、使うカットが決まってから作り直す
- 04音声も一緒に作りたい場面:音声を生成できるモデル(Veo 3.1、Kling 3.0の音声ありなど)。音楽や効果音を別に作るなら音声なしの指定にする
- 05商品名・価格・ロゴなど正確さが必要な文字:どのモデルでも生成させず、編集で重ねる
どのモデルも、指示していない文字や紋章を描いたり、動きの向きを取り違えたりすることがあります。宵寝の制作では作り直しを含めてKling v3で37本を生成し、コーヒーのサンプルでも冒頭のカットを1回作り直しました。モデルを選ぶときは、1本あたりの単価だけでなく作り直しの本数も見込んでおきます。
AI動画を発注するときにモデルについて確かめること
AI動画を制作会社に頼む場合も、どの動画生成AIを使うかで仕上がりと費用が変わります。発注の前に、次の点を聞いておくと比べやすくなります。
- 01どの画像生成AI・動画生成AI・音声生成AIを使うか
- 02使うモデルの利用規約で、完成した動画を広告やSNSに使えるか
- 03作り直しが必要になったとき、料金に含まれる範囲はどこまでか
FablessBridgeが使っている生成AIの名前は、サービスページの「使用しているAI」とよくある質問に載せています。作り直しや修正の範囲は「AI動画制作の料金」の記事にまとめています。
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