Veo 3.1プレビュー版の終了|Gemini Omniへ移る前に

Gemini APIのVeo 3.1プレビュー版は2026年10月22日に終了予定で、移行先はGemini Omni 1.1 Flashです。終了するモデルの見分け方、Gemini Omniの仕様と料金、同じ画像と指示文でVeo 3.1とGemini Omniを試した結果をまとめます。

Veo 3.1で動かした浮世絵風の美人画。団子のかんざしを挿した女性が微笑む

Gemini APIでVeo 3.1のプレビュー版(モデル名の末尾が -preview のもの)を使っているなら、2026年10月22日に終了する予定です。Googleは移行先としてGemini Omni 1.1 Flash(gemini-omni-1.1-flash)を指定しています。一方、Vertex AIで使える正式版のveo-3.1-generate-001は、引退が「2026年11月17日以降」とされていて、10月22日の終了には含まれません。

この記事では、2026年10月14日に公式ページで確認した終了するモデルの一覧、使っているVeoの見分け方、Gemini Omniの仕様と料金を整理します。あわせて、FablessBridgeが10月12日にVertex AIのVeo 3.1で試作した画像と指示文を、10月14日にそのままGemini Omniでも試した結果を紹介します。

2026年10月22日に終了するVeo 3.1のモデル

  1. 01
    veo-3.1-generate-preview(2025年10月15日公開):終了予定 2026年10月22日
  2. 02
    veo-3.1-fast-generate-preview(2025年10月15日公開):終了予定 2026年10月22日
  3. 03
    veo-3.1-lite-generate-preview(2026年3月31日公開):終了予定 2026年10月22日
  4. 04
    gemini-omni-flash-preview(Gemini Omniのプレビュー版):終了予定 2026年10月22日

4つとも移行先はgemini-omni-1.1-flashです。Googleの終了予定のページでは、表の日付は「早ければこの日に終了する」という最短の日付で、正確な日付は事前に知らせるとされています。日付が延びる可能性はありますが、10月22日に止まる前提で準備しておくのが安全です。

Vertex AIの正式版(veo-3.1-generate-001 と veo-3.1-fast-generate-001、2025年11月17日公開)は、引退が「2026年11月17日以降」と表示されていて、具体的な日付はまだ決まっていません。

使っているVeoが終了の対象かを見分ける

同じVeo 3.1でも、どこから呼び出しているかで終了の予定が違います。次の2点を確かめます。

  1. 01
    呼び出し先:generativelanguage.googleapis.com なら Gemini API、aiplatform.googleapis.com なら Vertex AI
  2. 02
    モデル名:末尾が -preview ならプレビュー版、-001 なら正式版
https://{LOCATION}-aiplatform.googleapis.com/v1/projects/{PROJECT}/locations/{LOCATION}/
  publishers/google/models/veo-3.1-generate-001:predictLongRunning
FablessBridgeが10月12日の試作で使った呼び出し先(Vertex AIの正式版なので10月22日の終了には含まれない)

fal・Runwayなど別のサービスからVeo 3.1を使っている場合は、そのサービスがどのモデルにつないでいるかで影響が変わります。各サービスのお知らせや料金ページで、10月22日以降の扱いを確かめてください。

Gemini Omni 1.1 Flashでできること

Gemini Omni 1.1 Flashは2026年8月27日に正式版になった、動画の生成と編集ができるモデルです。公式の説明で確認できた主な仕様は次のとおりです。

  1. 01
    入力:文章、画像(最初と最後のコマを指定した補間を含む)、人や物の参照画像、参照動画(3秒以内を最大3本)
  2. 02
    長さ:生成した動画の後ろに3〜10秒ずつ足していき、合計40秒まで延長できる
  3. 03
    解像度:360p・720p(既定)・1080p・4K。1080pと4Kは拡大処理で作られる
  4. 04
    画面の比率:横16:9(既定)と縦9:16
  5. 05
    音声:既定で動画と一緒に音声も作られ、指示文で内容を方向づけられる
  6. 06
    電子透かし:作った動画にはすべて目に見えない電子透かし(SynthID)が入る
  7. 07
    地域の制限:欧州経済領域・スイス・英国では、アップロードした動画の編集と延長ができない

指示の出し方にも違いがあります。否定の指示(ネガティブプロンプト)の項目やシステム指示、temperatureの設定は使えず、避けたいことは指示文の中に書きます。Veo 3.1で使っていた指示文や設定は、そのままでは同じ結果にならない前提で試し直します。

料金の比較:Veo 3.1とGemini Omni

Veo 3.1
1秒0.40ドル(720p・1080p、音声あり)
Veo 3.1 Fast
1秒0.10ドル(720p、音声あり)
Veo 3.1 Lite
1秒0.05ドル(720p、音声あり)
Gemini Omni 1.1 Flash
1秒約0.10ドル(720p)

いずれもGemini APIの料金表の値です(2026年10月14日時点、税抜き)。Gemini Omniは出力100万トークンあたり17.50ドルで、720pの動画1秒が5,792トークンとして計算されます。720pで8秒の動画なら、Veo 3.1は3.20ドル、Gemini Omniは約0.80ドルです。

720p以外の解像度でGemini Omniがいくらになるかは、料金表に書かれていませんでした。1080pや4Kで使う予定なら、少ない本数で試して実際の費用を確かめます。

FablessBridgeがVeo 3.1で試したときの記録

10月12日に、浮世絵風に描いた美人画1枚をVertex AIのVeo 3.1(veo-3.1-generate-001)で動かしました。縦9:16・8秒・720pで、2回試しています。

1回目は音声を生成する設定にし、江戸の売り子のように日本語の台詞を3つ話すよう指示しました。木版画らしい平らな色と輪郭は最後まで保たれ、台詞に合わせて口が動きました。ただし頭が大きく左右に動き、かんざしの形もコマによって変わりました。生成された音声を音声認識で文字に起こすと、2つ目の台詞はほぼ指示どおりに聞き取れ、1つ目と3つ目は一部が違って聞き取られました。

2回目は音声を生成しない設定にし、「頭は動かさず、口と目だけを動かす」と指示しました。それでも途中で顔の向きが変わり、最後の1秒ほどでは手まで動きました。動きを止める指示は、どちらの回でも守りきれませんでした。

同じ画像と指示文でGemini Omniを試した結果

10月14日に、同じ美人画と同じ指示文をそのままGemini Omni 1.1 Flashに渡し、縦9:16・720pで2本作りました。尺を指定する項目はなく、台詞ありの回は10秒、時間割を8秒まで書いた口と目だけの回は8秒で返ってきました。応答までは約42秒と約36秒で、応答に含まれる出力トークン数から計算した費用は約1.03ドルと約0.83ドルです。

いちばんの違いは、絵の保たれ方でした。Gemini Omniは2本とも頭と体の向きがほぼ変わらず、かんざしの形もそろったままでした。そのぶん口と目の動きは小さめです。Veo 3.1は2本とも頭が大きく動き、かんざしの形も変わりました。

Veo 3.1
台詞あり|8秒(縦の動画を横の枠に収めて表示)
Gemini Omni
同じ画像と指示文|10秒

台詞の聞き取りやすさも比べました。3本の音声を同じ音声認識モデル(Whisper large-v3)で文字に起こすと、Gemini Omniは3つの台詞がほぼ指示どおりに起こされ、違ったのは「胡麻」が「キマ」になった程度でした。Veo 3.1は2つ目の台詞はほぼ合っていましたが、3つ目は意味の通らない文に起こされました。

口と目だけを動かす回では、Gemini Omniは頭も手もほとんど動かさず、Veo 3.1より指示に沿っていました。ただし「音声なし」と書いても音声は付き、台詞は聞き取られなかったものの音は入っていました。Gemini Omniには音声を止める設定が見当たらないため、音を別に作る制作では編集で差し替えます。

Veo 3.1
口と目だけ|途中で顔の向きが変わり、最後に手が動く
Gemini Omni
口と目だけ|頭と手はほぼ動かない。音声は付く

どちらも1本ずつの試作なので、モデルの傾向と言い切ることはできません。それでも、絵柄を崩さずに動かしたい用途では、Gemini Omniへの移行は試す価値があると感じました。口の動きを大きくしたい場合は、指示文の書き方を変えて試し直します。

Gemini Omniへ移る前に確かめること

  1. 01
    使っているのがGemini APIのプレビュー版か、Vertex AIの正式版かを、呼び出し先とモデル名で確かめる
  2. 02
    いつも使う画像と指示文で、Gemini Omniの仕上がりを数本試す
  3. 03
    否定の指示やtemperatureなど、Gemini Omniで使えない設定を指示文に書き直す
  4. 04
    音声が既定で作られ、「音声なし」と書いても付くため、音声を別に作る制作では編集で音を差し替える手順を決めておく
  5. 05
    尺を指定する項目がないため、指示文に時間割を書いて長さが合うかを確かめる
  6. 06
    1080pや4Kは拡大処理になるため、必要な解像度と費用を試して確かめる
  7. 07
    欧州・英国向けの制作がある場合は、地域の制限に当たらないかを確かめる

動画生成AIのモデルは、数か月から1年ほどで新しいものに置き換わります。ほかのモデルとの比べ方や、同じモデルでも使うサービスで変わる費用は「動画生成AIの選び方」の記事にまとめています。

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