AI動画は初期案から何を直す?制作実績で見る修正の流れ
不動産会社向けサービス「Ekusid」の30秒動画を例に、AI動画が初期案から納品までにどう直っていったかを、構成・絵コンテ・動き・文字とロゴ・音の段階ごとに説明します。

AI動画の修正は、完成してからまとめて直すより、構成・絵コンテ・動き・文字・音の段階ごとに確かめるほうが進めやすくなります。前の段階で決めたことを後ろの段階で崩さずに済むからです。
この記事ではFablessBridgeの制作実績から、不動産会社向けAI業務改善サービス「Ekusid」の30秒のサービス紹介動画を例に、初期案から納品までに何をどう直したかを段階ごとに説明します。最初の3案の指示から納品用のファイルまで、記録上は約3時間(2026年10月4日22時台〜5日1時前)でした。制作過程の掲載は先方に了承をいただいています。
AI動画の修正は5つの段階で確認する
- 01構成:誰に何を見せるか、人物を出すか、何秒で何を言うか
- 02絵コンテ:問題と解決がそれぞれ画面で伝わるか
- 03動き:場面がつながって見えるか
- 04文字とロゴ:表記の崩れ・欠け・見切れがないか
- 05音と声:映像の動きと音が合っているか
Ekusidの動画は、会社概要の1分のプレゼンに入れる30秒の動画です。前半15秒で業務効率化、後半15秒で集客支援を見せています。以下では各段階で実際に直した点を順に見ていきます。
初期案で方向を決める:人物を使う3案から人物なしへ
最初はスタイリッシュで映像が次々変わる30秒を人物を使って3案作りました。3案を見比べた結果、人物を中心にした表現は採用せず、紙・吹き出し・書類・カレンダー・Webページが形を変えながらつながる表現に切り替えています。
その後、別々の2案にする代わりに1本を前後半15秒ずつに分け、どちらも「問いかけ・問題・解決」の順に進む構成に決めました。SUUMOやHOME'Sなどの媒体名と画面に出す文言もこの段階で決めました。
人物を出すかどうかは見た目を大きく変える判断です。早い段階で複数の案を見比べると、完成後に大きく作り直すことを避けやすくなります。
絵コンテで「解決した状態」を描き足す
30秒の流れを24コマの絵コンテにしたところで、次の指示がありました。
「問題提起と問題の並びはいいんだが、解決してる感がないような気がする」
問題の場面はそのまま残し、解決を見せる10〜15秒と25〜30秒の絵コンテだけを差し替えました。未対応の反響が返信済みに変わり、契約書と重要事項説明の手配に完了の印が付くように、処理したあとの状態を画面に書き込んでいます。
絵コンテは動画にする前の静止画なので、ここで直せば動画を生成し直す必要がありません。
修正前
修正後静止画の並びを形がつながる動きに変える
文字とロゴを正確に見せるため、一度は固定の素材を並べて動画にした版を作りました。文字は整いましたが、次の指示で採用しませんでした。
「静止画を組み合わせただけで動的要素が消えた」
「つなぎ目なしでスムーズに動く感じが欲しい」
最終版では24コマの絵コンテを1コマずつ切り出し、隣り合うコマを始まりと終わりの絵として動画生成AI(Kling v3)に渡して23区間を生成しました。それを30秒につなぎ、問い合わせが書類やカレンダーへ形を変えながら流れて見えるようにしています。
画面内の文字とロゴの崩れを確認する
動画生成AIは画面内の文字やロゴを変形させることがあります。Ekusidでも最初に簡単な動画を作った時点で、文字化け、ロゴの変形、画面の端での見切れが見つかりました。
固定の素材にすれば文字は正確になりますが、前の節のとおり動きが弱くなります。最終版は文字とロゴを含んだ絵コンテを動画生成AIに渡す方法で動きを優先しました。この方法でも文字が完全に固定されるわけではないため、動きを確かめるのとは別に、文字とロゴだけを見る確認が必要です。
発注する側は、社名・サービス名・ロゴ・画面に出す文言の正しい表記を最初に渡しておくと、確認の基準がはっきりします。
映像を作り直さずに音と声を仕上げる
映像が固まった時点では、音が映像の動きと結び付いていませんでした。映像は作り直さず、音だけを差し替えて比べています。
BGMは生成AI(ElevenLabs)で3案を作って比べたうえで、次の指示で元のBGMを残しました。
「元のBGMはドンドンアップテンポになるのがよい」
そこに紙が形を変える音・通知音・完了音を足しました。最後は28秒でEkusidのロゴが出るところに約0.9秒の声「exceed」を入れ、声の間だけBGMと効果音を下げています。声も3案を作って比べました。
修正を少なくするために発注前に決めておくこと
Ekusidで直した点の多くは、早い段階で決めておくと後の作り直しが減るものでした。依頼の前に次の点を整理しておくと、確認がスムーズになります。
- 01動画を使う場所と尺(Ekusidは会社概要のプレゼンに入れる30秒)
- 02人物を出すか、物や画面の動きで見せるか
- 03問題を見せたあと、解決した状態をどう見せたいか
- 04社名・サービス名・ロゴ・媒体名など画面に出す文字の正しい表記
- 05声やナレーションを入れるか、音楽と効果音だけで進めるか
FablessBridgeでは台本と絵コンテで内容を確定してから制作に入ります。構成の変更や実写風からアニメ風への変更など、まったく異なる動画にする修正を「大きな修正」と呼び、基本プランでは1回まで含めています(2026年10月時点)。方向の違いは初期案や絵コンテの段階で見つけるほど直しやすくなります。
なおEkusidの動画は30秒で、基本プランの60〜90秒とは尺が異なります。料金に含まれる範囲と別見積もりになる内容は、同じ「依頼の準備」の記事「AI動画制作の料金」にまとめています。
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