AI動画の作り方|企画から音・編集まで1本を完成させる手順
撮影なしで作った76秒の商品PR動画を教材に、AI動画の作り方を企画・画像生成・動画生成・画面・音・修正の工程ごとに、使ったツールと失敗して直したところまで説明します。

AI動画は1つのツールで完成するものではありません。台本・画像・動画・画面の文字・音楽と効果音を別々に作り、編集で1本にまとめます。
この記事ではFablessBridgeが撮影なしで作った76秒の自社制作サンプル「宵寝」を教材に、工程ごとに何を作り、どこで失敗して何を直したかを説明します。架空のスマートアイマスクが量産前にLPと広告で3案を試す物語で、最初の指示から横・フィード・縦の3本を書き出すまで同じ日のうちに7版まで直しました(夜間の中断を含みます)。
AI動画の作り方:1本を作る工程と使ったツール
- 01誰に何を見せるかと参考にする動画を決め、秒数つきの台本にする
- 02画像生成AIで配役・試作・代表の場面を決める
- 03決めた画像を動画生成AIで動かし、実写風の短いカットを作る
- 04製品の画面と文字はHTMLで作り、1フレームずつ書き出す
- 05音楽と効果音を生成し、映像の動きに合わせる
- 06通しで見て講評し、版を重ねて直す
- 07使う場所に合わせて比率ごとに書き出す
- 画像
- GPT Image、Nano Banana Pro、Nano Banana 2
- 動画
- Kling v3(画像から動画)
- 画面と文字
- HTMLで組んで書き出し
- 音楽と効果音
- ElevenLabs
各ツールの呼び出し、画面のHTML、書き出しと音量調整のスクリプトは、AIのコーディング支援ツールであるClaude Codeに指示して作りました。何を作るかの判断と完成した版の講評は筆者が担当しています。
企画:誰に何を見せるかと参考にする動画を先に決める
生成を始める前に、見せる相手・伝える中身・尺と比率を決めます。ここが曖昧なまま画像や動画を作ると、作り直しの回数が増えて費用もかさみます。
宵寝では次の条件を最初に決めました。
- 誰に
- 工場への発注の手前で迷うスタートアップのCEO
- 何を
- LPと広告で3案を試し1案を選ぶ
- 尺
- 約75秒
- 比率
- 横16:9・フィード4:5・縦9:16
参考にする動画も先に決め、数値で比べられるようにしました。画面が止まっている時間の割合を計測するスクリプトを用意し、参考の広告動画が約4%だったのに対して目標を10%以下に置きました。
「もっと動きを」のような感覚だけの講評では直す場所が決まりません。数値があると、どの秒を直せばよいかが分かります。ただし数値は目安です。6版目でもこの割合は約14%で、最後は通しで見た講評で判断しました。
画像生成AIで配役と代表の場面を決める
動画生成AIは元の画像から動きを作るので、人物の顔や服、製品の形は画像の段階で決めておきます。宵寝ではCEOと夜勤の看護師の候補を3人ずつ、試作のアイマスクを3つの形で生成して選びました。
選んだ画像をもとに、冒頭・製品の画面・3人の想定客・反応が集まる場面など代表の場面を静止画で並べ、動画を作る前に全体の見た目を確認しています。



動画生成AIで実写風のカットを作り1本ずつ確認する
決めた画像をKling v3に渡し、3〜5秒の実写風のカットを作りました。作り直しを含めて生成したのは37本です。
生成したカットは1本ずつ顔・手・足・画面内の文字を確認します。宵寝で直したのは次のような失敗でした。
- 01見積書の数字が崩れて読めない → 正しい数字の紙をHTMLで作って元画像にし、生成し直した
- 02布を切る場面で鋏を両手で持っている → 右手で切り左手で布を押さえる元画像に替えた
- 03CEOから看護師へ箱が渡って見えない → 分割した画面の始まりと終わりの絵を作り、2枚を渡して1本の動画にした
箱の受け渡しは4版目から左右の映像を別々に作って合わせようとしましたが、箱の大きさや時刻がそろいませんでした。始まりと終わりの絵を両方渡す方法に変えて、ようやく同じ箱が境目を渡って見えるようになりました。
画面の文字と動きはHTMLで作る
動画生成AIは画面内の文字が崩れやすく、細かい数字や日本語を正確に出すのは苦手です。宵寝では製品の画面・LP・広告・通知などの文字が入る場面をHTMLで組み、1フレームずつ書き出しました。文字はキーボードで打ち込む動きにし、生成した写真は広告やLPの中に素材として載せています。
HTMLなら文言や配置をあとから直せます。4版目のLPは写真と見出しとボタンだけで空白が目立ったため、特徴3つ・使う場面・試作の写真・先行予約の帯を足して画面を埋めました。
修正前
最終版HTMLならではの失敗もありました。4版目では3案のカードが激しくぶれていて、原因は画面の並び替えを毎フレーム実行していたことでした。1回だけ実行するように直して止まりました。
音楽と効果音をAIで作り映像の動きに合わせる
音楽はElevenLabsで3案を作って選び、場面の切り替わりを曲の盛り上がりに合わせました。声は入れず、打鍵・クリック・通知などの効果音で画面の動きを伝えています。
効果音は映像と数を合わせることが大切です。4版目では通知が画面を埋めるほど届くのに通知音が鳴っておらず、表示する通知と同じ数の通知音を置き直しました。反応が集まった案を選ぶ場面では銃声の効果音を生成し、選ばれなかった2案が落ちる動きに合わせています。
声や音の作り方は、制作ノートの記事「動画の印象を変える声と音のつくり方」でも別の作例を使って説明しています。
講評して7版まで直し3つの比率で書き出す
1本通して書き出したら、全編を見て秒数ごとに講評します。宵寝の3版目は筆者の採点で30点でした。2本の参考動画のうち片方に似せただけで、もう片方の良さが出ていないと判断しました。音楽に合わせてアイコンが動き続けるのも不要でした。
講評は「22秒の広告が普通すぎる」「40秒の読み込み済みを24個から100個に」のように秒数と直す中身をセットで書き、次の版の要件にしました。この繰り返しで7版目を完成版にしています。
最後に横16:9・フィード4:5・縦9:16の3本を書き出しました。横の映像を切り抜いて縦にするのではなく、画面の部品を比率ごとに組み直し、実写のカットも比率に合う構図を選んでいます。

AI動画の費用:76秒1本で生成AIにかかった金額
宵寝で生成AIにかかった費用は合計で約23ドルでした。請求額ではなく、生成1回ごとに事前に決めた費用上限を足した見積もりです。画像・動画・音はすべて有料のAPIで作り、無料の範囲は使っていません。
- 画像
- 68枚・約11.4ドル
- 動画
- 37本・約10.3ドル
- 音楽
- 3曲・約1.5ドル
- 効果音
- 6種・約0.1ドル
画像は配役や場面の候補を何枚も作って選ぶため、動画より枚数が多くなりました。動画は1本3〜5秒のカット1本ごとに費用がかかります。
費用が増えるのは講評のあとです。4版目の講評の時点で見込みは約16ドルで、そこから見積書や鋏の場面の作り直し、他社の広告の追加、箱の受け渡しの作り直しで約4.5ドル増えました。
宵寝では作業を始める前に費用の上限を決め、実写のカットの撮り直しは1カット2回までとしました。直す内容が決まった時点で追加の生成本数と見込みを出し、上限を超えそうなときは作業を止めて上限を上げるか作り方を変えるかを決めています。上限は途中で25ドルに引き上げました。
この金額にはClaude Codeの利用料と人の作業時間は含みません。台本・講評・画面づくり・修正の判断に使った時間のほうが、生成AIの費用よりずっと大きくなります。
宵寝の全編と、3版目から最終版までの比較は下の動画制作事例で見られます。自社で作るのが難しい場合は、FablessBridgeでも企画から修正までを担当しています。料金と制作の流れはサービスページにまとめています。
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