Claude CodeでAI動画を作る|任せたことと人が確認したこと

Claude CodeでAI動画の制作を進めた76秒の自社制作サンプルを例に、Claudeに任せた作業と、人が見て聴いて判断したことを、実際の指示と応答をもとに説明します。

読み込んだ他社の広告が10×10の格子に埋まっていく製品画面

Claudeは動画そのものを生成するAIではありません。FablessBridgeではAIのコーディング支援ツールであるClaude Codeに、参考動画の分析・台本と要件の整理・画像や動画を生成するAIを呼び出すスクリプト・画面のHTML・音の調整・書き出しを任せています。映像の良し悪しを見て、音を聴いて決めるのは人です。

この記事では76秒の自社制作サンプル「宵寝」を作ったときのClaude Codeとのやり取りをもとに、任せたことと人が確認したことを分けて説明します。工程全体と使ったツールは制作ノートの記事「AI動画の作り方」にまとめています。

Claude Codeで動画を作るときの役割分担

Claudeに任せた
参考動画の計測、台本と要件の整理、生成AIの呼び出し、画面のHTML、音の調整、書き出し
人が決めた
物語の方向、各版の採点と講評、費用の上限、音と動きの最終確認

画像は画像生成AI、実写風のカットは動画生成AI(Kling v3)、音楽と効果音は音声生成AI(ElevenLabs)で作っています。Claude Codeはこれらを呼び出すスクリプトを書いて実行し、できた素材を編集で1本にまとめる役割です。

作業はClaude Codeを手元のパソコンで動かし、プロジェクトのフォルダの中で進めました。フォルダの外にあるファイルは読めないことがあり、宵寝でも最初に渡した参考動画はダウンロードフォルダにあったため開けませんでした。素材はプロジェクトのフォルダに移してから渡すと進めやすくなります。

参考動画を数値にして台本と要件にまとめる

最初は参考動画を渡して、内容を理解したうえで新しい動画を作るよう指示しました。Claude Codeは動画からフレームを切り出し、止まっている時間の割合、場面転換の回数、最長の停止を計測するスクリプトを書いて数値で比べました。参考の広告動画は止まっている時間が約4%、場面転換は10秒あたり約4.9回で、これを目標の物差しにしています。

続けて、過去に同じ形式で作った動画のやり取りから好みを読み取り、要件書にまとめさせました。誰に何を見せるか、3つの比率、作業工程、品質の数値目標、費用の見込みが1つのファイルに残ります。決めることがあるときは、Claudeが推奨を付けた選択肢を1問ずつ出し、筆者が選ぶ形で進めました。

台本は秒数ごとに、実写で見せるか画面で見せるかを表にして出てきます。直したい行を秒数で返せば、その行だけを書き直せます。

動画生成AIの呼び出しは費用の上限つきのスクリプトにする

画像・動画・音の生成はすべて有料のAPIです。Claude Codeには生成する前に、作る本数と1本ごとの費用の上限を書いた計画ファイルを作らせ、合計が上限を超える計画はスクリプトが実行前に止まるようにしました。失敗したときに自動で何度も生成し直すことはしません。

講評で作り直す場面が増えるたびに、Claudeが追加の本数と見込み額を出し、筆者が上限の範囲で進めるかを決めています。宵寝では途中で上限を25ドルに引き上げ、生成AIの費用は見積もりで合計約23ドルでした。

新旧の版を上下に並べて比べ秒数で講評を返す

版ができるたびに、Claude Codeは前の版を上、新しい版を下に並べて同時に再生できる比較ページを作り、手元のサーバーで開けるようにしました。2本の再生のずれは0.05秒以内に収めています。

講評は22秒の広告が普通すぎる、53秒のB案とC案がぶれている、のように秒数と直したい内容をセットで返しました。Claudeはそれを要件の表に整理し、追加の費用と一緒に確認してから次の版に進みます。

原因の調べ方もClaudeに任せられます。53秒のぶれは画面の並び替えを毎フレーム実行していたことが原因で、縦長版で看護師の顔が切れていたのは切り出しの中心が右に寄っていたうえにカメラが寄るにつれて顔が左へ流れていたことが原因でした。どちらもClaudeが原因を特定して直しています。

Claudeが確認できないことは人が見て聴く

Claude Codeは動画をフレームの画像や数値として確かめます。版を出すときの報告には「確認できていないこと」の欄があり、宵寝では次のような点が挙がりました。

  1. 01
    通知音や銃声の聞こえ方は数値でしか確かめておらず、耳では聴けていない
  2. 02
    箱を受け渡す瞬間の左右の明るさと色味の違いは、通常の速さで見て違和感がないか確かめてほしい

計測の数値が目標に近づいても、それだけで良い動画になるとは限りません。3版目を見た筆者の採点は30点でした。全体は悪くないものの参考にした動画に似せただけに見え、音楽に合わせてアイコンや図解が動き続ける演出も不要と判断しています。最後は通常の速さで通して見て、音を聴いて決めました。

あいまいな指示はClaudeに読み方を書かせてから進める

秒数で短く返す講評には、読み方が分かれる指示も混ざります。5版目への講評で「上段の左側に日本語、上段の下側に英語」と書いたとき、Claudeは「下段の左側に英語」と読んで進めると自分の読み方を書き、合っていれば次の版に進めてよいかを確認してきました。

同じ場面で失敗が続くときは、作業を続けさせるより案を出させるほうが早く進みます。箱を受け渡す場面は4版目から何度も直して合わなかったため、よく考えて修正案を出すように指示しました。そこで出てきた分割画面の始まりと終わりの絵を作って動画にする案で、ようやく同じ箱が境目を渡って見えるようになりました。

Claude Codeに動画制作を任せるときの指示の出し方

  1. 01
    素材はプロジェクトのフォルダに置いてから渡す
  2. 02
    参考動画を渡し、何を数値で比べるかを決めさせる
  3. 03
    要件・台本・講評をファイルに残させ、版ごとに読み返せるようにする
  4. 04
    生成の前に本数と費用の上限を出させ、超える計画は止めさせる
  5. 05
    新旧の版を並べて比べ、講評は秒数と直したい内容で返す
  6. 06
    「確認できていないこと」を毎回書かせ、その項目は人が見て聴く

Claude Codeはコマンドを実行してファイルを書き換えるツールなので、生成AIのAPIキーの扱いや費用の上限は使う人が決めて管理する必要があります。宵寝の全編と3版目から最終版までの比較は、下の動画制作事例で見られます。

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